観光名所を訪れたとき、期待外れだと悲しい(日本語版記事)し、期待していなかったのに素晴らしい(日本語版記事)とうれしいものだ。
次に観光名所を訪れる前には、よかれ悪かれ、「現実」はどうなのかについて知っておくといいかもしれない。
中国の「万里の長城」は疲れる。
ある旅行者の記憶では、長城の内側につながる最も低い入り口地点に行くだけで4000段を上ったという。
もちろんゴンドラはあるが、そういう問題ではない。ちょっとハイキングに行こうと思い立つ前に、この遺跡がどれほど巨大であるかを、誰かに教えてほしかったと思うのだ。
ピラミッドにはピザハットがある。 ピザハットの店内から眺めるピラミッド。
ピラミッドのすぐ近くにはピザハットがある。しかも、ケンタッキーフライドチキンと同じ建物の2階にあり、ギザの景観を「プライスレス」にしている。
さらに、外のラクダ引きには気をつけた方がいい。手頃な料金で乗せてくれると言っておきながら、法外な額を払わないとラクダから降ろしてもらえないことで有名だ。
「モナリザ」は近寄りがたい。
仕切りがあるために、旅行者はこの名画に近づけない。さらに、その外側にはカメラを構えた旅行者たちが大量に群がっているので、さらに遠くから眺めることになる。
死海の塩水は危険だ。
死海は、世界で最も塩分を含んだ水域のひとつだ(海水の塩分濃度は3%、死海の塩分濃度は30%)。ちょっとした傷があってもすごく痛いので、ここで水浴する数日前に脚のムダ毛を処理するのはやめよう。
また、目や口に入ったら危険なので、絶対に顔をひたしてはならない。海水を飲み込んだら、救助員に助けを求めよう(リンク先には、そう警告している掲示板の写真がある。なお、2013年7月には、日本人女性が死海の水中でバランスを崩し、大量の水を飲んで死亡したと報道された)。
イグアスの滝は...茶色かも?
イグアスの滝は、アルゼンチンとブラジルにまたがる世界最大の滝であり、世界で最も壮観な滝のひとつだとされている。さぞかし美しいだろうと思うかもしれないが、実は森林伐採が原因で、大雨の季節には、場所によって水の色がブラジルコーヒーのようになる。
エッフェル塔に登る近道がある。
エッフェル塔では、エレベーターを数時間待つのも珍しいことではない。裏ワザとしては、オンラインでチケットを購入してエレベーターに乗る時間枠を予約する方法や、大多数の旅行者のように地階からエレベーターを使うのではなく、第2展望台まで階段を上る方法などがある。
ピサの斜塔は、今はあまり傾いていない。
1992年から複数回行われた修復工事によって、2001年から2013年の間に、垂直方向の傾きが2.5センチほど正常な状態に戻った。
自由の女神は独占できる。
自由の女神像の王冠部分にある展望台に入るには、事前に予約しなければならない。1回の注文につき最大4人まで予約可能で、同一人物による予約は6カ月間に1回のみ許可される。
ベルサイユ宮殿より素晴らしい「ベルサイユ庭園」。
これは、ほとんどの城郭を取り巻く花々が植えられた狭い区画のことではない。約8平方キロメートル(東京ドーム173個分)もの敷地に広がる庭園や公園には、おとぎ話のような噴水、洞窟、小道が散在している。見逃さないように!
『最後の晩餐』は簡単には見られない。
レオナルド・ダ・ヴィンチの有名な絵画『最後の晩餐』は、ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会敷地内にある修道院の食堂にあるが、間違っても気軽に立ち寄れると思ってはいけない。
最大2カ月前に訪問日時を予約する必要があり、食堂の中には15分しかいられない。観光ツアーに参加すると見られるかもしれない。
「世界一有名な間欠泉」は、結構待つ。
オールド・フェイスフルは、イエローストーン国立公園内にある、有名な間欠泉だ。
65~92分の間隔で50メートルほどの高さの湯が定期的に噴出するので「信頼できる(フェイスフル)」と呼ばれたが、実は、噴出するまで2時間ほど待たなければならないこともある(ここ数年間にわたり、噴出間隔が長くなってきている)。
「グランド・キャニオンでハイキング」はハード。
アメリカ合衆国国立公園局は、グランド・キャニオンを簡単に行き来できるトレイルはないと警告している。「素晴らしいハイキングができるか、病院送りになるかは、あなた次第だ」とのことだ。
日帰りのハイキングもあるが、長い道のりになりかねず、整備されていないトレイルや凍結部分があったり、水場がまったくなかったりする場合もある。さらに、上りは下りの2倍時間がかかることを忘れてはならない。
トレヴィの泉で「1人だけの写真」を撮るのはほとんど不可能。
映画の中のリジー・マグワイアなら、1人だけの写真も簡単に撮れるかもしれないが、実際には場所の奪い合いになる。